本業としてはもちろん、隙間時間に働く副業としても人気が高まっている業務委託ドライバー。その気になれば高収入も可能というのも注目を集めている理由の1つです。

とはいえ、実際のところ業務委託ドライバーはどれほど稼げるのでしょうか。重い荷物を運ぶのは体力も必要であり、相応の報酬を受け取れないといまいちやる気になれないという方も多いでしょう。

今回のコラムでは、業務委託ドライバーの収入の実態をご紹介いたします。本当に稼げるのか気になる方はぜひ最後までご覧ください。

業務委託ドライバーの平均年収はどれくらい?

業務委託ドライバーとしてフルタイムで働いた場合、平均年収はおよそ400万〜500万円ほどです。

それだけ聞くと特別高収入なようには思えないかもしれませんが、そもそも業務委託ドライバーは働き方が多様化しており、稼いでいる人と稼いでいない人の差が非常に大きいです。また、歩合給制を導入している事業所も多いことから、例え同じ労働時間であっても、人によって収入には少なからず差があります。

また、そもそも業務委託ドライバーは普通運転免許さえあれば基本的に誰でもできる仕事で、特別なスキルや資格なども必要ありません。老若男女問わず一定の人気がありますが、同時に年齢と年収に比例関係はあまりないと理解しておきましょう。

業務委託と正社員の給料に関する違い

ちなみに業務委託ドライバーと正社員ドライバーは給料の仕組みが大きく異なります。軽貨物ドライバーになる上で、業務委託と正社員、どちらになろうか迷ってしまう方も多いので、良ければ参考にしてみてください。

  • シフトを自由に組める
  • 歩合給制の割合が多い
  • 完全歩合給制が認められている
  • 経費は自身で負担する
  • 福利厚生がない

主にこのような違いがあるので、一つひとつ解説していきます。

シフトを自由に組める

あらかじめ企業との契約で最低出社日数が定められているようなケースを除き、業務委託ドライバーは自由にシフトを組むことができます。業務委託の最大のメリットといっても過言ではなく、副業をしたい方や主婦の方から人気を集めている理由の1つになっています。

同時に業務委託ドライバーには労働時間の上限なども課されません。自分が望めば長時間働いても問題ないため、たくさん働いてたくさん稼ぎたいという人にはもってこいということです。

歩合給制の割合が多い

正社員ドライバーは毎月決まった額が支払われる固定給制が主流ですが、業務委託ドライバーの場合は歩合給制も多いです。

やはり軽貨物ドライバーは決められた時間の中でどれだけの荷物を配送できるかが主な評価の指標であり、歩合給制であれば配送した荷物の個数が多いほど報酬も高くなります。

反対に、配送個数が少ないと報酬も下がってしまいますが、専用ツールや土地勘を駆使して効率的に配送することができれば、どんどん収入は上がっていくでしょう。

完全歩合給制が認められている

業務委託ドライバーは完全歩合給制が認められています。文字通りですが、完全歩合給制は決められた固定給が一切なく、完全に配送した個数に応じて報酬額が決められる形態です。

最低賃金の兼ね合いから正社員に完全歩合給制を適用することはできないため、この選択肢があるのは業務委託ドライバーの特権だといえるでしょう。

とはいえ、給料が全く保証されていないのは不安や焦りも付きまといます。より効率的に配送しようとすることは大切ですが、急ごうとするあまり事故を起こさないように十分注意してください。

経費は自身で負担する

業務委託ドライバーになることを検討する前に必ず把握しておかなければいけないことですが、業務委託ドライバーは基本的に経費を自分自身で負担しなくてはいけません。詳細は後述しますが、例えばガソリン代などが挙げられます。

収入だけを見ると正社員より業務委託の方がやや高くなっている傾向がありますが、業務委託ドライバーはそこから経費が差し引かれるということを理解しておきましょう。

福利厚生がない

経費を自分で負担しなければいけないだけでなく、福利厚生がないというのも業務委託ドライバーのデメリットといえるでしょう。

交通費や家賃を補助してもらえたり、社員旅行に連れていってもらえたり、どのような内容かは企業によって異なるとはいえ、正社員にとってはありがたい制度です。

ただ、業務委託でも福利厚生が全くないわけではありません。そもそも業務委託に福利厚生を適用するのが禁止といったルールはないため、数は少ないですが業務委託でも何かしらの福利厚生を受けられるケースがあります。

固定給制より歩合給制の方が稼げる?

ここまでで何度か固定給制と歩合給制について触れてきましたが、いってみれば歩合給制はハイリスクハイリターン。固定給制の方が稼げる可能性も十分あります。

どちらを選ぶかの参考として、詳しく深掘りしていきます。

1日の配送個数はどのくらい?

まず軽貨物ドライバーは1日でどれほどの荷物を配送できるのでしょうか。

あくまで平均的な個数ですが、1日8時間ほど働いた場合の配送個数はおおよそ100〜150件ほど。こうして数字にして見てみると、たった1日でも意外にたくさんの荷物を届けることが可能です。

ただし、実際の個数は地域によって少なからず異なります。

例えば、人口密度が高い都市部であれば、配送先同士の距離が近く、同じ時間でもより多くの荷物を配送できるでしょう。運転しているよりも、車を降りて荷物を運んでいる時間の方が長いということもありえます。

歩合給の相場はどのくらい?

次に歩合給の相場についてですが、完全歩合給制だと荷物1個あたり150円程度。決して高くはないかもしれませんが、1日に100件以上配送できると想定すると、単純に考えても日給は1万5,000円以上ということになります。

以上のことを踏まえると、良い条件で効率良く配送できた場合、歩合給制を選ぶことで固定給制より稼ぐことは十分可能でしょう。

業務委託ドライバーを始めるにはいくらかかる?

ところで業務委託ドライバーを始めるにはどれほどの費用がかかるのでしょうか。

「自分の車がない場合はどうすればいいの?」という疑問をお持ちの方も多いかもしれませんが、配送車をレンタルできる事業所もたくさんあります。毎月数千〜数万円のレンタル料はかかりますが、初期費用はかなり抑えられるでしょう。

あとは最初に加盟料や登録料が発生する場合もありますが、それも事業所によって異なります。

つまり、配送車のレンタルができて、加盟料や登録料がかからない事業所を選べば、初期費用ほぼゼロで業務委託ドライバーとして働き始めることも可能ということになります。

知っておきたい業務委託ドライバーの経費

最後に業務委託ドライバーの経費について解説いたします。正社員と異なり、基本的に業務委託ドライバーは仕事にかかる費用は全て自己負担となりますが、具体的には以下のような経費が発生します。

  • 車両レンタル・リース代
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • オイル交換費用
  • 車検・整備費用
  • 各種税金
  • 保険代

このうち、例えばガソリン代などは労働時間が長くなるほど高くなるため、1ヶ月でどれほどの経費がかかるかは固定されていませんが、ある程度シミュレーションをしておくのが望ましいでしょう。

ちなみに個人事業主である業務委託ドライバーは家賃や水道光熱費、携帯代のような生活費の一部も経費として扱われます。実際にどれだけの割合を経費計上できるかは使用状況によりますが、節税対策の一環として押さえておきましょう。

自分次第で高収入を狙えるのも魅力!

フルタイムの業務委託ドライバーの平均年収はおおよそ400万〜500万円程度と特別高くないように思えますが、結局は自分次第です。

「自分が望むだけ自由に働ける」というのも業務委託ドライバーの特徴なので、高収入を狙いたいという方もぜひ挑戦してみてください。

ただし、軽貨物ドライバーは長時間運転しつつ、重い荷物をたくさん運び、少なからず体力が必要になります。疲れが溜まると事故を起こすリスクも上がってしまうので、くれぐれも無理をしないことを心掛けましょう。