軽貨物ドライバーは1人で黙々と仕事ができるというイメージをお持ちの方が多いですが、実は意外にトラブルが起こりがちな職業です。ミスが続くと、契約を打ち切られたり、報酬が上がらなかったりと、良いこともありません。

そこで今回はよくある軽貨物ドライバーのトラブルを一つひとつ紹介していきます。これから軽貨物ドライバーになる方はこれらを事前に把握し、実際の業務で戸惑わないようにしましょう。

軽貨物ドライバーはトラブルやクレームが少なくない

「荷物を車に積み込んで配送していく」

言ってしまえば軽貨物ドライバーの業務はこの一言に尽きますが、実際はそう単純なものではありません。気軽に始められるのが軽貨物ドライバーの魅力である一方、人によって配送スピードも全く異なります。

「きちんと丁寧に仕事できるか」というのも個人差がありますが、仕事ぶりが粗雑だとトラブルも多くなります。事業所や企業にクレームが入ることもあるため、軽貨物ドライバーは常に人目に晒されているということを自覚しながら業務に取り組む必要があります。

軽貨物ドライバーのよくあるトラブル・クレーム

それでは具体的に軽貨物ドライバーのよくあるトラブルやクレームを言われがちな事例を紹介していきます。確実な仕事をして、高い評価を得るためにも、ぜひ一つひとつの項目を確認しておいてください。

  • 荷物の破損・汚れ
  • 荷物の盗難・紛失
  • 荷物の誤配送
  • 時間指定を守らない
  • 交通事故
  • お客様に対する態度
  • 電話をかけても繋がらない
  • 不在連絡票の不備

荷物の破損・汚れ

荷物の配送に関して最もよくあるトラブルの1つは荷物の破損や汚れです。必ずしも軽貨物ドライバーが悪いとは限りませんが、責任を問われやすいポジションであることは間違いありません。

実際、荷物を落としてしまったり、他の荷物に押し潰されてしまったりと、配達中に荷物に損害を与えてしまうケースは少なくありません。しかし、心掛け1つでこのようなトラブルを起こす頻度は大幅に減らすことができるので、良ければこちらのコラムを参考にしてみてください。

配送中の荷物の破損・汚れは誰の責任?トラブルを防ぐポイント

荷物の盗難・紛失

何らかの理由で荷物を紛失してしまうというトラブルも稀に発生します。無事見つかれば良いですが、そのまま見つけられないとお客様のもとに荷物が届くのが大幅に遅れてしまうため、絶対に避けたいトラブルでしょう。

気を付けたいのは盗難です。

すぐ車に戻ってくるからとロックしないでいると、そのわずかな間に荷物を盗まれてしまうということも考えられるため、セキュリティ面には特に注意する必要があります

荷物の誤配送

現在問題視されているのが誤配送、つまり誤った住所に荷物を届けてしまうことです。

玄関先で直接お客様に荷物を引き渡すのであればともかく、メール便や宅配ボックスに加え、近年は「置き配」システムも普及してきています。それらは再配達の負担を減らす画期的なシステムである一方、配達先を間違えてしまうリスクが高く、トラブルやクレームの原因となっています。

基本的に軽貨物ドライバーはマップに表示されるピンをもとに荷物を届けますが、それを鵜呑みにするのではなく、逐一正確な住所を確認しながら配送するようにしましょう。

時間指定を守らない

「せっかく時間指定で依頼したのに、その時間通りに届かなかった」というのもよくあるクレームの一因です。

確かに、軽貨物ドライバーにとって時間指定の荷物の扱いはやや難しいです。1箇所だけあるだけで、遠回りのルートを選ばざるを得なくなることも珍しくありません。

業務に慣れてくると時間指定の荷物が交ざっていても気にならなくなりますが、最初は特に余裕を持って配送するのが良いでしょう。

交通事故

軽貨物ドライバーは毎日長時間運転する職業であるため、交通事故を起こす、あるいは巻き込まれてしまう確率も高いです。そのため、各種保険には必ず加入し、日頃から安全運転を心掛けてください。

実際のところ、軽貨物ドライバーが車を運転する距離は1日あたり100km前後ですが、焦って配達しようとするあまり、事故を起こしてしまったというケースも見受けられます。

お客様に対する態度

軽貨物ドライバーも少なからずお客様と接する機会がありますが、玄関先で荷物を渡すわずかな時間でも、態度が悪ければクレームに繋がってしまいます

ドライバーにとっては1日に何度も行う中の1回でも、お客様にとってはそうではありません。クレームが重なると自身の評価を下げる要因になりかねないため、1回1回丁寧に接することを意識してください。

電話をかけても繋がらない

「不在票に記載されていた番号に電話をかけたのに繋がらなかった」というクレームも多いです。

軽貨物ドライバーは車を運転していたり、荷物を運んでいたりして電話に出ることができないタイミングも多いですが、そのような場合も極力かけ直すようにしましょう。一度通った場所にまた戻るのは手間のように感じますが、再配達が減って結果的に自分のためにもなります。

また、事業所に持ち帰る荷物の数が少ないことも評価を上げるポイントなので、電話に出て、再度荷物を届けに行くことはドライバーにとっても大きなメリットがあります。

不在連絡票の不備

不在連絡票が入っていなかった、記載されている番号や文字を読めなかったというクレームが入ることもあります。焦って配送しているとついそのようなミスをしがちですが、お客様にとってはわざわざ本社に問い合わせて、再配達を依頼することになり、非常に手間がかかります。

これに関しても、後々自分の助けになるということを念頭に置き、一つひとつ丁寧にこなしていきましょう。

委託元の企業とのトラブルも少なくない

ここまでお客様との間でよくあるトラブルや、配達に関するクレームを紹介しましたが、業務委託契約を交わす軽貨物ドライバーは委託元の企業と揉めることも珍しくありません。

特に多いのは報酬関連です。

軽貨物ドライバーの報酬形態は企業によって異なり、毎月決まった額が支払われる固定給制もあれば、配達した荷物の数に応じて金額が増減する歩合給制もあります。諸経費の負担や条件なども細かく分かれているため、認識の違いがないようしっかりと確認しておくことが望ましいです。

ミスが重なったドライバーはどうなる?

ドライバー側に原因があって、委託元の企業と揉めることもないわけではありません。

例えば、荷物を配り切れなかった「未配」や、誤った住所に届けてしまう「誤配」などが目立ち、お客様のクレームが重なると企業としても対処しないわけにはいきません。

よほど悪質でない限り、減給や賠償請求といったペナルティが科せられることは基本的にありませんが、一方で正社員のように雇用を守る義務もありません。急に契約が終了になる可能性もあるということを覚えておきましょう。

とにかく丁寧な仕事を心掛けてミスを減らそう

Point

・荷物の破損・汚れ
・荷物の盗難・紛失
・荷物の誤配送
・時間指定を守らない
・交通事故
・お客様に対する態度
・電話をかけても繋がらない
・不在連絡票の不備

あくまで一部ではありますが、軽貨物ドライバーのよくあるミスは上記の通りです。

実際にやってみると、軽貨物ドライバーの仕事を問題なくこなすには様々なことに気を付けなければならないことがわかるでしょう。ミスの内容によっては多額の賠償に繋がる可能性も全くないわけではないので、日頃から丁寧な仕事を心掛けることが大切です。