社員として雇用されている軽貨物ドライバーであれば、制服があらかじめ会社に指定されていることが多いですが、業務委託のドライバーの場合は服装自由であることが一般的です。
服装は顧客の第一印象を左右する重要な要素。誤った服装を選択すれば、一瞬にして顧客からの信頼を失ってしまうかもしれません。
本記事では、軽貨物ドライバーの服装事情や、正しい服装選びのポイントなどをご紹介いたします。
目次
軽貨物ドライバーの服装の重要性
軽貨物ドライバーは接客業ではありませんが、顧客と直接対面する機会が多い仕事です。ここでは、軽貨物ドライバーの服装が顧客と仕事に与える影響をご紹介します。
- 服装が与える顧客への印象
- 服装が仕事に与える影響
服装が与える顧客への印象
軽貨物ドライバーの服装は、顧客からの第一印象を決定づける重要な要素です。
清潔感のある服装は、信頼感とプロ意識を顧客に伝えて安心感を与えます。
反対に、だらしない服装は会社の評価を下げ、顧客の不信感を招く場合があります。企業イメージやブランディングを重要視している大手の運送業者が制服を導入しているのは、服装のだらしなさによる企業イメージの低下を回避するためと考えられます。
個人事業主のドライバーで服装に関するルールが特に無くても、軽貨物ドライバーとして適切な服装を選択し、顧客満足度の向上に繋げましょう。
服装が仕事に与える影響
軽貨物ドライバーの服装は、仕事の効率や安全性にも影響を与えます。
動きやすく機能的な服装は、荷物の積み下ろしをスムーズに行ったり、運転時の快適さを確保したりするためには必要不可欠。
正しい服装は、安全で効率的な業務の遂行や、仕事の成果にも結びついてくる重要な要素です。
企業雇用と個人事業主の服装事情
軽貨物ドライバーの服装は、企業雇用と個人事業主として働く場合とで異なります。ここでは、企業雇用と個人事業主の服装事情と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
- 企業雇用の場合は制服が多い
- 個人事業主の場合の服装は自由
企業雇用の場合は制服が多い
企業に雇用されている軽貨物ドライバーは、基本的に制服の着用が義務付けられます。制服に加え、髪型・髪色・ヒゲ・ピアスなども規定があるので、事前に確認しましょう。
制服のメリット
制服を支給されることで、軽貨物ドライバー自身は服装を選ぶ手間が省け、経済的負担も軽減されるのが最大のメリットです。
加えて、制服を着ることで仕事とプライベートの切り替えがしやすくなります。
業務面でも、制服を着用することで一目見て配達業者だと分かるため、スムーズに配達が進みます。
マンションによっては、制服を着用していない配達業者の入場を断っていたり、夜間の配達時に不信感を与えたりしてしまうケースも。信頼できる配達業者として認知してもらえるのは制服指定がある配送業者の強みだと言えます。
制服のデメリット
制服の着用は服装の自由が制限されるため、個人の好みや季節に合わせた調整が難しいです。
髪型やアクセサリーなどに関するルールを厳しく定めている企業もあり、普段の格好と仕事の格好を切り替えないといけない方もいらっしゃいます。
また、洗濯や管理、また気温に合わせた調整が難しく、手間がかかることも。制服を頻繁に新品と交換するのは難しいため、日頃から丁寧に手入れをして汚れや臭いを取り除く必要があります。
また真夏や真冬など、気候が厳しい時期でも企業指定の制服を着る必要があるため、暑さ対策・寒さ対策が行いにくい点もデメリットです。
個人事業主の場合の服装は自由
個人事業主として働く軽貨物ドライバーの服装は基本的に自由。企業が支給する制服ではなく、自分自身で調達した衣服を着用します。
服装自由のメリット
個人事業主の服装自由のメリットは、動きやすさにおいても、好みにおいても、自分に合った服装を自由に選べることです。
動きやすく、季節や天候に応じた適切な服装を選択できるため、仕事の効率と快適性が向上します。
個性を反映させ、自分の好みやスタイルに合った服装で働けるのも魅力です。
服装自由のデメリット
服装自由の場合、衣服の調達にコストがかかったり、服装選びに時間を要したりする点がデメリットです。
また、制服を着用していないことを理由に配達先や時間帯によっては不審者と疑われ、スムーズな配達が妨げられるリスクがあります。
私服の場合、顧客にプロフェッショナルな印象を与えにくく、信頼が低下する恐れもあるため、軽貨物ドライバーとしての正しい服装選びのポイントを留意することが重要です。一目見て、配送ドライバーであることがわかる服装をすることで、業務がスムーズに行えるようになります。
軽貨物ドライバーの理想的な服装の選び方
ここでは、軽貨物ドライバーの服装を選ぶ上でのポイントを3つご紹介します。
- 色
- サイズ
- 季節や天候に合わせた服装
色
軽貨物ドライバーの服装は、ビジネスカラーである黒・白・紺色が適しています。
これらの色は汗や汚れが目立ちにくく、顧客に清潔感ある印象を与えやすいです。
服装の色は、顧客からのドライバーに対する信頼を高める重要な要素であるため、汚れが目立つ色や、派手な色は避け、落ち着いた色を選ぶようにしましょう。
サイズ
長時間の運転や、身体を動かす業務を伴う軽貨物ドライバーは、自分に合ったサイズを身に付けることも大切です。
適切なサイズの服は動きやすさを確保し、業務の効率を向上させます。過度に大きすぎたり、小さすぎたりする服は、見た目がだらしなくなったり、動きにくさを招いたりするため避けましょう。
ジャストサイズよりも、少し余裕があるサイズが理想的です。また、通販よりも実際に店舗で試着した上で購入するのがおすすめです。
季節や天候に合わせた服装
屋外作業も多い軽貨物ドライバーにとっては、季節や天候に応じた服装選びも大切です。
夏は通気性の良い素材の服を選び、冬は保温性のあるインナーを着用することで快適に作業できます。雨天時には防水性のあるレインウェアや、撥水加工のジャケットを準備しましょう。
季節や天候に合わせた適切な服装は、軽貨物ドライバーの健康と安全を守る上でも重要な役割を果たします。
軽貨物ドライバーの身だしなみの注意点
お客様と対面する機会が多い軽貨物ドライバーは、服装以外の身だしなみにも気を配りましょう。ここでは、軽貨物ドライバーが抑えるべき身だしなみのポイントをご紹介します。
- 髪型
- アクセサリー
- 匂い
- 靴
髪型
髪型は特に規定がなく、自由としている運送会社が多いです。
しかし、軽貨物ドライバーの髪型は清潔感が重要。長い場合はまとめることが推奨されます。
スムーズな配送と信頼獲得のためにも、派手な髪色や極端なスタイルは避け、顧客に好印象を与えることが大切です。
アクセサリー
アクセサリーに関しても特に規定を設けていない運送会社が多いです。
しかし、アクセサリーは業務中に邪魔になる可能性があるため、最小限に抑えましょう。特に、大きなネックレスや指輪は荷物に引っかかるリスクがあるので外すことがおすすめです。
シンプルで安全な身だしなみを心がけましょう。
匂い
タバコや強すぎる香水の匂いは顧客に不快感を与えるため、注意が必要です。
喫煙者は車内で消臭スプレーを使用するのがおすすめ。段ボールなどは臭いを吸収しやすいため、車内ではなく喫煙所など指定された場所で吸うようにしましょう。
また、夏場はデオドランドスプレーを活用し、汗の匂いを防ぐことも重要です。
靴
靴は、清潔で機能的なものを履くようにしましょう。
汚れた靴で顧客の敷地内に入ると、悪い印象を与えてしまうかもしれません。
また、安全面を考慮し、滑りにくいソールの靴やつま先を保護するデザインの靴を選ぶことも重要です。
制服貸与に関するトラブルにも注意が必要
企業に雇用されるドライバーは、会社から制服を貸与してもらえることが多いですが、その際に気を付けるべきことは、制服の購入費用や貸与費用がどちらの負担になっているかということです。
制服等の業務上必要のあるものの費用を従業員に負担させることは、基本的には禁じられています。
※労働基準法第24条第1項にて「賃金は、全額を支払わなければならない」と定められています。これは給料から、勝手に備品等の代金を自腹購入させることを禁じる為の条文となっています。
一方で下記の場合は、例外として給料からの天引きが認められています。
- 源泉所得税や社会保険料など法令で定められているもの
- 労使協定を締結し、その中で取り決められたもの
上記から、会社側が勝手に従業員に制服代等を負担させることはできませんが、労使協定にて労働者側からの同意を得ている場合はその限りではありません。雇用契約を結ぶ際に事前に制服の購入費、レンタル日、クリーニング費用等について、どのような契約形態になっているかを確認しておくことをおすすめします。
正しい服装選びでスムーズな運送業務を
軽貨物ドライバーの適切な服装選びのポイントをご紹介しました。
軽貨物ドライバーには、制服と服装自由の2つのパターンがありますが、どちらも清潔感と動きやすさを重視しましょう。
服装自由の場合は、「色」「サイズ」「季節や天候に応じた服装」の3点を意識して選ぶことが大切です。
服装は顧客からの信頼を左右する重要な要素。気を抜かずに服装、髪型、靴、匂いなど全身の身だしなみに気を配ることが、軽貨物ドライバーとして成功する鍵となります。
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。