夏の軽貨物配送は、車内と車外の温度差や暑い中での荷物の積み下ろし、長時間の運転などにより、身体への負担が大きくなりがちです。特に、直射日光を受ける軽バンのような配送車の中は短時間でも高温になりやすく、熱中症や脱水症状のリスクが高まります。

さらに、時間に追われる業務の中では体調の異変に気づきにくいです。そのような過酷な環境でも安全かつ快適に働くためには、しっかりとした暑さ対策が欠かせません。

本記事では、軽貨物ドライバーの方に向けて、おすすめの暑さ対策や配送車内の温度管理方法、日常に取り入れやすい体調管理のポイントなどを詳しく解説します。体調を崩さずに夏の軽貨物配送を乗り切るためのヒントを、ぜひチェックしてみてください。

軽貨物ドライバーに暑さ対策が必要な理由

軽貨物ドライバーにとって、暑さ対策は健康と安全を守るために欠かせません。

夏場の車内は高温になりやすく、熱中症のリスクが常に伴います。特に、軽貨物ドライバーは1人で作業することが多く、体調不良に気づくのが遅れてしまいやすいです。

さらに、トイレの回数を減らすために水分補給を控えたり、エアコンの効いた車内と外気の温度差によって汗をかいていることに気づきにくくなったりすることで、「かくれ脱水」が起こりやすくなる点にも注意しなければなりません。

暑さによる集中力の低下は、交通事故や配達の遅延といったトラブルにもつながる恐れがあるため、日頃からしっかりと暑さ対策を意識しておくことが大切です。

軽貨物ドライバーにおすすめの暑さ対策

軽貨物ドライバーにおすすめの暑さ対策として、次のものが挙げられます。

こまめに水分補給をする

こまめな水分補給は、熱中症を防ぐうえでとても重要なポイントです。軽貨物ドライバーは長時間の運転や荷物の積み下ろしで大量の汗をかくため、定期的に水やスポーツドリンクを飲むようにしましょう。

ただし、コーヒーや紅茶などカフェインを多く含む飲み物には利尿作用があるため、控えめな摂取がおすすめ。必要に応じて塩飴や経口補水液を活用し、汗で失われた塩分やミネラルを補うことも大切です。

服装やインナーを工夫する

軽貨物ドライバーにとって、夏場の服装やインナーの工夫は暑さ対策の基本です。

吸汗速乾性に優れたコンプレッションインナーや冷感素材のインナーには、体温の上昇を抑える効果があります。上着には通気性の高い麻や綿素材のものを選び、天候の急変に備えて薄手の羽織りも用意しておくと安心です。

汗をかいたときのために着替え用のインナーや靴下を常備しておくと、快適な状態を保つことができます。

熱中症対策グッズを活用する

熱中症対策グッズの活用も、軽貨物ドライバーにおすすめの暑さ対策の1つです。

首元を冷やして体温上昇を抑える冷感タオル、冷却ベストやハット、充電式の小型扇風機などを活用することで、熱中症のリスクを下げることができます。

さらに、クーラーボックスに冷たい飲み物や保冷剤を常備しておくと、休憩時のリフレッシュに効果的です。

軽バン・配送車内の温度を快適に保つ方法

軽バンを始めとする配送車内の温度を快適に保ち熱中症のリスクを減らすためには、ちょっとした工夫が必要です。

ここでは、駐車時と運転中それぞれのシーンで実践できる方法をご紹介します。

駐車時

駐車時の車内の温度を快適に保つには、直射日光を避けて日陰に駐車することが効果的です。フロントガラスにはサンシェードを設置し、必要に応じて遮光カーテンも活用しましょう。

窓を2~3cmほど開けておくだけでも、車内にこもった熱気を逃がすことができます。さらに、荷室のドアを可能な範囲で開けて風通しを良くしたり、冷却スプレーやシートをハンドルに使ったりすることで、乗車時の暑さを軽減可能です。

運転中

運転中に快適な車内環境を保つには、エアコンを上手に使うことが大切です。出発前にドアを開けて車内の熱気を逃がし、走行時は外気導入でエアコンを使いましょう。

車内が冷えてきたあとは内気循環に切り替えると、効率よく涼しさを保てます。ただし、長時間の内気循環は酸素が不足しやすいため、適度に外気を取り入れるのがポイントです。

風が直接身体に当たるのが苦手という方は、小型ファンを使って風向きを調整するのもおすすめの方法といえます。

【軽貨物】暑さ対策を習慣化しよう

熱中症を予防するために習慣化したい暑さ対策として、次のものが挙げられます。

出勤前や仕事中に体調をチェックする

出勤前や仕事中に体調をチェックする習慣を身につけることは、軽貨物ドライバーの暑さ対策において重要なポイントです。出勤前に体温を測り、体調に違和感があるときは無理せず休みましょう。

業務中にめまいや吐き気などの症状が出た場合はすぐに作業を中断し、涼しい場所で休むことが大切です。日頃から体調チェックを習慣化することが、業務の安全性や効率につながります。

食事や睡眠をしっかりとる

夏場の過酷な環境で体調を維持するためには、日々の食事や睡眠をしっかりとることが大切です。

特に、忙しいからといって朝食を抜くのはNG。きちんと食事をとることで1日のエネルギーを補給し、暑さへの抵抗力を高めることができます。特に、ビタミンやミネラルを含む食材は、汗で失われがちな栄養素の補給にも効果的です。

睡眠不足は集中力の低下や疲労の蓄積、さらには熱中症のリスクを高める原因にもなります。1日6~7時間以上の睡眠を確保し、疲れを翌日に持ち越さないように心がけましょう。

無理をせず休憩する

無理をせずこまめに休憩することも、暑さ対策には外せない習慣です。

エンジンを切った配送車内はすぐに高温・多湿の状態になります。休憩の際はできるだけ日陰や屋内など涼しい場所に移動して、身体を休めましょう。

熱中症の初期症状には、めまいや立ち眩み、筋肉のけいれんなどがあります。こうした兆候が現れたときはすぐに安静にし、水分と塩分を補給してください。エンジンを切った車内での仮眠は熱中症リスクが高まるため、避けた方が賢明です。

休憩をとっても体調が回復しない場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

暑さに負けず安全・快適な軽貨物配送を行おう

夏場の軽貨物配送は、車内の暑さや屋外での作業など身体に大きな負担がかかります。熱中症や予期せぬ体調不良を防ぐためには、日々の暑さ対策を「習慣化」することが重要です。

こまめな水分補給や服装の工夫、熱中症対策グッズの活用に加え、車内の温度管理や体調チェック、十分な食事と睡眠、そして適度な休憩が欠かせません。ひとつひとつを意識して取り入れることで、暑い季節も安全かつ快適に業務をこなすことができます。

自分自身の体調を守ることは、効率的な配送と交通安全にもつながります。今日からでもできる対策を取り入れて、暑い夏を乗り切りましょう。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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