比較的手続きが簡単で、手軽に始められることや自由な働き方が叶いやすいことから人気が集まっている軽貨物ドライバー。
しかし、いざ軽貨物ドライバーとして開業しようと考えても「何から始めれば良いのか分からない」「どうやって案件を獲得していけば良いのか」と悩んでしまう人も多いはず。
今回のコラムでは、軽貨物ドライバーとして働くための方法をゼロから解説していきます!軽貨物ドライバーとして働きたいと考えている方は、記事をチェックして、ぜひチャレンジしてみてください。
軽貨物ドライバーとは
まずは、軽貨物ドライバーという仕事についてお話していきましょう。軽貨物ドライバーとは、軽自動車を使用して個人宅や事業所に配達を行う仕事。正式には「貨物軽自動車運送事業」と呼びます。
比較的軽く小さな荷物を配達することが多く、性別や年齢を問わず働きやすいのが特徴です。
軽貨物ドライバーとして働くメリット
年々需要が拡大している軽貨物ドライバー。今やインフラの1つと言っても過言ではないほど、日々の生活を支える重要な役割を担っています。
軽貨物ドライバーとして働くメリットは、主に以下の6つ。順に説明していきます。
- 開業ハードルが低い
- 自由度が高い働き方が叶う
- 高年収も目指せる
- 人間関係の煩わしさがない
- 定年なく働ける
- 将来性が高く安定的に仕事が見つかる
開業ハードルが低い
トラックなどを活用して配達を行う「一般貨物自動車運送事業」は「許可制」のため書類の提出だけではなく、以下のような細かな要件を満たす必要があります。
- 「運行管理者」「整備管理者」の配置する
- 使用権限を有する車両を5両以上有し、運転者も5名以上有する
- 所要資金の調達に十分な裏付けがある など
一方、軽貨物ドライバーは特別なスキルや知識、資格が不要で、普通自動車の運転免許と車があれば起業可能です。また、必要書類に不備なく記入し提出するのみの「届出制」なのも手軽なポイントでしょう。
自由度が高い働き方が叶う
「土日だけ副業で働きたい」「1ヶ月旅行で休みたい」など、柔軟な働き方が叶うのが大きな魅力。自分のスケジュールに合わせて、案件量や働く時間を調節することも可能です。
副業のスケジュールも組みやすいので、自分の好きなことを仕事にしながら、安定的な収入を軽貨物ドライバーで得るなんて計画も優に叶います。
高年収も目指せる
多くの委託会社が、1日(週、月)当たり報酬〇円、荷物1個あたり報酬〇円といった契約を採用しています。つまり、頑張った分だけ稼げるため、働き方次第では高収入も目指せるでしょう。
稼働時間の制限がないのは、個人事業主の利点の1つ。「今月は頑張りたい」「夜型だから夜間の配達を中心にしたい」など、自分の体調や予定に合わせて稼働時間を決められます。
多く働いた分だけ報酬に反映されていくので、やりがいも一層感じられるでしょう。
人間関係の煩わしさがない
基本的には業務中は、運転を行っている時間がほとんど。個人事業主のため、部下と上司のような上下関係も社内政治なんてものもありません。
委託会社やお客様とのやり取りはもちろん発生しますが、最低限のコミュニケーションのみなので人付き合いが苦手という方は、ストレスを軽減できるでしょう。
定年なく働ける
個人事業主には定年はありません。週3だけ配達を行うなどセーブすることももちろん可能です。体調や理想の働き方に合わせて、自分が希望する年齢まで働くことができます。
将来性が高く安定的に仕事が見つかる
前述したように、ドライバーという仕事は今や生活には欠かせない職業の1つ。今後も需要は減ることはなく、ますます運送依頼は増えていくばかりでしょう。
個人事業主として生きていくためには、安定した報酬を得るのが重要。こうした将来性が高い収入の軸を1つ持っていくと安心です。
軽貨物ドライバーとして業務をスタートする方法
軽貨物ドライバーとして働くためには、どんな届け出が必要なのでしょうか。開業までの流れを説明していきましょう。
- 個人事業主として開業届を提出する
- 配送車と駐車場、運転免許を用意する
- 配送案件を獲得する
個人事業主として開業届を提出する
個人事業主として報酬を得るためには、開業届の提出が必須です。
管轄の税務署に「個人事業の開業届出」を提出しましょう。この時、同時に「青色申告承認申請書」も提出しておくのがおすすめです。
「青色申告承認申請書」とは、確定申告での申告方法の1つ。白色申告と比較して控除額が大幅に増えたり、赤字を3年間繰り越せたりなど、事業者として得られるメリットが大きいのが最大の特徴です。
個人事業主としてしっかり稼ぎたいと考えているのであれば、忘れずに提出しておきましょう。どちらの書類も国税庁のホームページから入手可能です。
参考ページ:
配送車と駐車場、運転免許を用意する
軽トラック、軽バン、バイク(125cc以上)などの軽貨物車と駐車場、普通自動車免許証を準備できたら、開業準備は完了です。
軽貨物車はリースでも問題ありません。業務委託会社によっては車両の貸し出しを行っていることも。注意したいのが、AT限定の普通自動車免許証ではこうしたリースサービスを利用できないことがあるということです。
事前の面談で担当者に、利用条件などを確認しておきましょう。
配送案件を獲得する
あとは、実際に案件を請けて稼働するのみ。一般的には以下の方法で仕事を見つけることが多いようです。
- 業務委託会社から案件を請け負う
- マッチングサービスを利用する
- 知り合いから紹介してもらう
業務委託会社から案件を請け負う
最も一般的とも言えるのが、運送会社と業務委託契約を結び、案件の一部を請け負う方法。
委託会社によって異なりますが、初心者向けのガイダンスやサポートを準備していることも。ノウハウを手に入れることが、効率良く配達するコツです。こうしたサポートは積極的に活用しましょう。
多くの会社がインターネットで求人募集をしています。気になる案件があればまずは問い合わせてみると良いでしょう。
マッチングサービスを利用する
アプリを活用した軽貨物配送のマッチングサービスも増加しています。イメージしやすいものですと、「Uber Eats」がこれに当たります。
掛け持ちがしやすかったり、空いた時間に仕事をしたかったりと、短時間で手軽に活用できるのがマッチングサービスの特徴です。少額な案件が多いため、まずは本業との合間に始めてみるのが良いでしょう。
知り合いから紹介してもらう
周りに配達員がいたり、もともとドライバーとして働いていたりする場合、紹介してもらうのも手です。業務委託会社の中にはドライバーに不利な契約を結んだり、支払いがルーズだったりと悪徳業者がいるのも残念ながら事実。
紹介であれば、こうしたリスクを回避できます。
軽貨物車に関する届出も忘れずに
開業までの大まかな流れは前述した通りですが、車両に関して細かな届け出が必要です。
順に見ていきましょう。
- 軽貨物運送事業者として届出をする
- 黒ナンバーを取得する
- 保険加入を行う
軽貨物運送事業者として届出をする
使用する車両を管轄する運輸支局に「軽貨物運送事業者」として届け出を行いましょう。以下の必要書類をそろえて提出してください。
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 運賃料金表
- 事業用自動車等連絡書
- 運賃料設定届出書
- 車検証(コピー可)
専門業者に代行してもらうことも可能ですが、それほど複雑な作業ではありません。初めて申し出る方も自力で取得することは十分可能です。
黒ナンバーを取得する
「軽貨物運送事業者」の登録が済んだら黒ナンバーの取得を行ってください。黒ナンバーとは営業用の軽貨物車両に取り付けが義務付けられている黒地のナンバープレートのこと。
軽自動車検査協会に以下の書類を提出してください。
- 申請依頼書(自分で申請する場合は不要)
- 事業用自動車等連絡書(運輸支局で押印されたもの)
- 車検証(原本)
- 黄色ナンバー(前後2枚)
- 住民票
黒ナンバーの取得方法は以下のコラムで詳しく紹介しています。
参考記事:黒ナンバーの取得方法を解説!普通の車と何が違うの?
保険加入を行う
軽貨物ドライバーとして仕事を始めるのであれば、保険加入も必須。自賠責保険だけではなく任意保険も備えておきましょう。
自家用車より保険料が高くなりやすいですが、運転する時間が増えれば増えるほど事故のリスクが付きまとうのは当然です。万が一に備えておきましょう。
軽貨物ドライバーとしての開業を成功させよう
軽貨物ドライバーは、将来性が高く、開業しやすい職業の1つ。手順を踏めば開業は可能ですが、ビジネスで重要なのは、そのあと継続的に案件を獲得し事業を安定させることです。
ギオンデリバリーサービスでは、業務委託ドライバーを募集しております。拠点数は全国30カ所以上、お問い合わせのみも大歓迎です。まずは、お近くの求人案件をぜひチェックしてみてください。
この記事の執筆者
軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。