中東情勢の悪化は、原油価格の上昇や海上輸送の停滞を招き、日本の物流にも影響を及ぼします。燃料費が上がれば配送コストが増え、輸入品の遅れによって配送量が変動するケースもあります。特に、商品を顧客へ届けるラストワンマイルでは、さまざまなリスクに備えて、走行コストや案件数、稼働状況への影響を想定しておくことが欠かせません。
本記事では、中東情勢が物流に与える影響やリスクへの備え方を分かりやすく解説します。
中東情勢が物流に関係する理由
2026年7月現在、中東周辺ではホルムズ海峡や紅海周辺の航行リスクが意識される状況が続いています。実際に、船舶の通航や退避をめぐる動きが見られる一方、周辺海域での船舶攻撃により対応が流動的になる場面もあります。
中東地域は、原油や天然ガスの供給に大きく関わる地域です。そのため、情勢が不安定になると、燃料価格や海上運賃、保険料などが上がりやすくなります。
日本は多くの資源や商品を海外から輸入しているため、中東情勢の変化は国内物流にも無関係ではありません。燃料費の上昇や輸入品の遅れが起これば、ラストワンマイルの配送コストや荷量にも影響が出る可能性があります。
中東情勢が物流に与える影響とは?

中東情勢の悪化は、燃料価格の上昇や海上輸送の混乱を引き起こし、物流業界全体に影響を及ぼします。ここでは、中東情勢が物流に与える主な影響について解説します。
燃料費が上がり配送コストが増える
中東情勢が不安定になると、原油の供給に不安が生じ、燃料価格が上がりやすくなります。物流業界では、トラックや船舶、航空機の運行に燃料が欠かせないため、軽油やガソリンの値上がりは配送コストに直結します。
特に、商品を購入者のもとへ届けるラストワンマイルでは、配送車両の燃料費が増えることで、走行コストや収益面への負担が大きくなるおそれがあります。
輸入品の遅れで配送量が変動しやすくなる
中東周辺には、国際物流に欠かせない航路がいくつもあります。そのため、この地域の情勢は世界の物流網に大きな影響を与えます。情勢が悪化すると、船舶が安全を確保するために迂回ルートを選び、輸送日数が長くなるケースが見られます。
海上輸送に遅れが出れば、輸入品の入荷時期がずれ、ECサイトで扱う商品の出荷量にも影響します。その結果、購入者に商品を届けるラストワンマイルでも、配送量や稼働状況が変動しやすくなります。
EC商品の欠品で案件数に影響が出る場合がある
輸入品や原材料の到着が遅れると、商品の在庫が不足し、出荷件数が減る場合もあります。商品が欠品すれば、配送に回る荷物の量も少なくなり、ECサイトのラストワンマイルにも影響が及びます。特にEC配送では、荷量の変動が稼働体制や配送効率に関わるため、案件数や出荷状況をこまめに確認する必要があります。
中東情勢による物流リスクへの備え方

中東情勢による物流リスクは、配送業務に携わる人の収入にも影響します。安定して働くためには、日々のコストを把握し、案件条件や配送ルートを見直すことが大切です。ここでは、中東情勢による物流リスクへの備え方について解説します。
燃料費と走行距離を記録する
燃料費の上昇に備えるには、日々の走行距離と給油額を記録しておくことが大切です。配送業務では、配達件数が多くなるほど走行距離も伸びやすく、燃料費が手取り収入に影響します。1日あたりの走行距離や燃費を確認しておけば、案件ごとの採算を判断しやすくなり、無理のない稼働計画にも役立ちます。
採算に合う案件を選ぶ
燃料費や車両の維持費が高くなっているときは、案件ごとにどれくらい利益が出るかを確認することも重要です。報酬額だけで判断せず、配送エリア、走行距離、配達件数、待機時間なども含めてチェックすると、実際に手元に残る収入を見極めやすくなります。
条件が合わない案件を無理に受け続けると負担が大きくなるため、収益と稼働時間のバランスを意識しながら働く姿勢が求められます。
稼働エリアや配送ルートを見直す
燃料費の負担を抑えるには、稼働エリアや配送ルートの見直しも必要です。配送先が広範囲に分散している案件では走行距離が増えやすく、ガソリン代や車両への負担も大きくなりがちです。集荷場所や配達エリアを事前に確認し、効率よく配送できる案件を選ぶことが、安定した稼働につながります。
複数の案件先を確保しておく
荷量や条件の変動に備えて複数の案件先を確保しておくことも、有効な選択肢の一つです。特定の配送会社やEC案件だけに依存していると、出荷量が減ったときに収入が不安定になるリスクがあります。定期案件に加えて、スポット配送や別エリアの案件も事前にチェックしておけば、状況に応じて柔軟に仕事を選びやすくなります。
中東情勢と物流に関するよくある質問

中東情勢と物流に関するよくある質問を紹介します。
Q:中東情勢が日本の物流にも関わる理由は?
日本の物流は、燃料価格や国際輸送の影響を受けやすく、中東情勢とも深く関係しています。中東情勢が不安定になると原油価格が上昇し、国内配送に使う車両の燃料費にも影響します。また、ホルムズ海峡や紅海周辺の情勢が悪化すると、船舶が迂回ルートを選ばざるを得なくなり、航海日数が大幅に延びます。
その結果、輸入品の到着が遅れ、商品を購入者へ届けるラストワンマイルの配送計画にも影響が及ぶ可能性があるのです。
Q:配達の遅れや送料の値上がりは今後も続く?
配達の遅れや送料の値上がりは、今後も続く可能性があります。中東情勢が不安定な状態では、燃料費が高い状態が続きやすく、物流会社が追加の燃料費を送料に反映する可能性があるためです。
また、国内では物流の2024年問題により、配送網の維持にかかる負担も増えています。国際情勢と国内の人手不足が重なることで、送料や配送日数に影響が出る状況はしばらく続くと考えられます。
Q:企業側はどのような取り組みでカバーしている?
企業側では、物流コストの上昇や人手不足に対応するため、配送の効率化を進めています。代表的な方法が、複数の企業で荷物をまとめて運ぶ共同配送です。共同配送によってトラック1台あたりの積載率が高まり、走行回数や燃料費の削減が期待できます。
また、長距離輸送では、鉄道や内航海運を組み合わせるモーダルシフトも活用されています。こうした取り組みにより、物流全体の負担を抑えながら、ラストワンマイルまで安定して荷物を届ける体制づくりが行われています。
物流リスクに備えて安定した配送体制を整えよう
中東情勢の悪化は、日本の物流にも影響を及ぼします。配送コストや荷量が変動するなかで安定した稼働を続けるためには、走行距離や燃料費を把握し、案件条件や配送ルートを見直すことが必要です。複数の案件先を確保しながら、無理のない配送体制を整えておくことが安定した収益につながります。
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軽カモツネット編集部
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