近年は、人手不足や2024年問題を背景に、運送業で働く人を取り巻く環境が変化しつつあります。待遇改善に取り組む企業が増えている一方で、収入は働き方や担当する業務によって大きく異なります。本記事では、運送業の給料が上がっている理由と、年収アップにつながる具体的な方法を分かりやすく解説します。

運送業の給料は今後上がる?

運送ドライバーを取り巻く取引環境は、ドライバー不足や物流の2024年問題を背景に改善が進んでいます。国は2024年、トラックの標準的な運賃が8%引き上げるとともに、荷役作業や待機時間などの料金を別に受け取れるよう算定方法を見直しました。

参考:新たなトラックの標準的運賃を告示しました~運賃水準を8%引き上げるとともに、荷役の対価等を新たに加算~|国土交通省

国土交通省が一般貨物自動車運送事業者を対象に行った調査では、運賃交渉後に収受額が増えた契約は35%とされています。ただし、報酬は元請け企業や案件、契約条件によって異なるため、事前の確認が不可欠といえます。

運送業で給料の上昇が期待される理由

運送業では、主に以下の3点を背景に、待遇改善の動きが進んでいます。

  • ドライバー不足で人材獲得競争が激しくなっている
  • 適正な運賃の確保が報酬の改善につながっている
  • 労働時間の短縮に伴い給与体系の見直しが進んでいる

ドライバー不足で人材獲得競争が激しくなっている

運送業では、ドライバーの高齢化や若年層の新規就業者の減少を背景に、人材不足が深刻化しています。限られた人材を確保するため、元請け企業や各運送会社では、報酬や契約条件を見直す動きも見られます。

特に軽貨物配送やスポット便では業務委託ドライバーの需要が高く、案件単価の引き上げや売上保証などを設ける企業も多いです。人材確保に向けた待遇改善の取り組みが各社で進められており、条件のよい案件を選びやすい環境が整いつつあります。

適正な運賃の確保が報酬の改善につながっている

燃料費や人件費の上昇を受け、荷主に対して適正な運賃を求める動きが進んでいることも、運送業で給料の上昇が期待される理由の1つです。運賃が見直されれば、元請け企業や運送会社が確保できる収益が増え、業務委託ドライバーの報酬改善にもつながる可能性があります。

ただし、運賃の上昇分がそのまま案件単価へ反映されるとは限りません。実際の報酬は元請け企業の方針や案件内容、契約条件によって異なるため注意が必要です。

労働時間の短縮に伴い給与体系の見直しが進んでいる

物流の2024年問題により、2024年4月から雇用ドライバーの時間外労働に上限が設けられました。労働時間の短縮によって残業代が減ると、収入の減少や人材流出につながるおそれがあるため、運送会社には長時間労働を前提としない給与体系への見直しが求められています。

こうした待遇改善が進めば、業務委託ドライバーの報酬単価や契約条件にもよい影響を与えると期待されています。

運送業で高収入を目指しやすい仕事

運送業では、運転する車両や配送距離、運ぶ荷物の種類によって、得られる収入が変わります。ここでは、高収入を目指しやすい主な仕事を見ていきましょう。

  • 長距離トラックドライバー
  • タンクローリー・特殊車両ドライバー
  • 軽貨物ドライバー

長距離トラックドライバー

長距離トラックドライバーは、走行距離が長く、夜間運行や長時間の拘束が多いため、近距離配送より高収入を目指しやすい仕事です。運行距離や配送件数に応じて報酬が決まる契約では、担当する案件が多いほど収入を増やしやすくなります。

一方で、長時間の運転や不規則な生活による負担も少なくありません。長く続けるためには、案件単価だけでなく、休憩時間や荷役作業の有無、帰宅できる頻度も確認しておく必要があります。

タンクローリー・特殊車両ドライバー

タンクローリーや特殊車両のドライバーは、危険物や高圧ガスなど、専門性の高い貨物を運ぶ仕事です。一般的な配送業務よりも責任が重く、担当できる人材も限られるため、報酬が高くなる傾向があります。

車両の大きさに応じた運転免許に加えて、業務内容によっては、危険物取扱者やけん引免許などの資格が必要となります。また、貨物の特性を正しく理解し、安全に車両を扱う技術や、状況に応じた判断力も不可欠な要素です。

軽貨物ドライバー

軽貨物ドライバーは、宅配便や企業向け配送、スポット便など、幅広い案件に対応する仕事です。配達件数に応じて報酬が決まる契約では、より多くの荷物を効率よく届けることで、売上を伸ばすことができます。

一方、売上が増えても、経費がかさむと手元に残る金額は少なくなります。高収入を目指すには、安定した荷物量や高単価の案件を確保するとともに、燃料費や車両費など必要経費の把握をしっかり行う必要があります。

運送業で給料を上げるための方法

運送業で給料を上げるには、対応できる仕事の幅を広げるだけでなく、契約条件や案件ごとの収益性を見極める必要があります。収入アップにつなげるための具体的な方法としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 高単価の案件に対応できる免許や資格を取得する
  • 案件単価や手数料などの契約条件を見直す
  • 荷主や案件を比較して収益性の高い仕事を選ぶ

高単価の案件に対応できる免許や資格を取得する

運送業で収入を伸ばす方法の1つが、専門性の高い案件に対応できる免許や資格の取得です。たとえば、大型免許やけん引免許を取得すれば、運転できる車両が増え、長距離輸送や特殊車両を扱う案件も選択肢に入れることができます。

また、危険物取扱者やフォークリストなどの資格を取ることで、対応できる貨物や作業の幅が広がり、より高単価の案件を受けやすくなります。

案件単価や手数料などの契約条件を見直す

契約条件の見直しも、収入を増やすうえでの大切なポイントです。案件単価が高くても、仲介手数料やシステム利用料、ロイヤリティなどの負担が大きいと、実際の利益は少なくなります。そのため、契約前には報酬の計算方法や手数料の割合などを確認しておく必要があります。

案件を選ぶ際は、提示された単価だけで判断せず、すべての費用を差し引いたあとに手元へ残る金額で比較するようにしましょう。

荷主や案件を比較して収益性の高い仕事を選ぶ

荷主や案件によって、配送距離や待機時間、荷物の積み下ろし作業、1日に対応する件数などの条件は異なります。同程度の報酬でも、待機時間が短く、効率よく複数の配送をこなせる仕事を選べば、時間当たりの収益がアップしやすいです。

また、定期便や継続案件は安定した仕事量を確保しやすく、空車時間の削減にもつながります。複数の荷主や案件を比較し、拘束時間や燃料費、配送の効率まで考慮したうえで、自分に合う仕事を選ぶことが大切です。

運送業の給料・収入に関するよくある質問

運送業での収入アップを目指すにあたって、実際の稼ぎやすさや未経験からの給与事情などについて疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、年収アップを目指す前に知っておきたい代表的な質問とその回答をまとめました。

Q1:未経験から運送業に転職した場合、最初から平均以上の給料を稼げますか?

A:働き方や歩合給の割合によって異なりますが、未経験からでも高収入を狙いやすい業界です。 一般的なオフィスワークと比べ、運送業は走った距離や運んだ個数がダイレクトに給料へ反映される仕組みが多いためです。未経験からスタートする場合でも、夜間配送や長距離、あるいは件数をこなせる軽貨物デリバリーなどを選ぶことで、初年度から高収入を目指すことが可能です。

Q2:資格取得の費用は自己負担になりますか?会社に負担してもらう方法はありますか?

A:資格取得支援制度のある会社を選べば、全額または一部を会社負担で取得できます。 大型免許やフォークリフト、危険物取扱者などの資格は、人手不足に悩む多くの運送会社が取得費用をサポートしてくれます。全額会社負担(一定期間勤務で返還不要)という条件を設けている求人も多いため、自費で取得する前に支援制度がある会社を探してみるのがおすすめです。

自分に合った案件とスキル磨きで高収入を狙おう

運送業で年収を上げるには、目先の単価だけでなく、仕事内容や契約条件などを確認しなければなりません。高単価の案件に対応できる免許や資格を取得するとともに、手数料や経費を差し引いた収益性を比較することで、より条件のよい仕事を選びやすくなります。案件選びとスキルアップを並行して進め、安定した収入につなげていきましょう。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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