近年自由な働き方の1つとして注目を集めているのが、「軽貨物ドライバー」という選択肢です。軽貨物ドライバーは未経験者でも始めやすく、自分のペースで働ける柔軟さが魅力とされています。
本記事では、脱サラして軽貨物ドライバーになるためのステップや、具体的な仕事内容、さらにこの仕事ならではのメリットについて詳しく解説します。軽貨物ドライバーになることを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
軽貨物ドライバーの業務内容とは

軽貨物とひとことに言っても、業務内容はさまざまです。一日の流れや種類、収入などを知っておくことで、仕事のイメージがつかみやすくなります。
ここでは、軽貨物ドライバーを目指す前に押さえておきたい基本的なポイントをご紹介します。
1日の仕事の流れ
軽貨物ドライバーの1日は、物流倉庫や集配所に出向くことからスタートします。
まず配達先の伝票を受け取り、効率の良い配送ルートを組んでから荷物を車に積み込みます。
午前・午後・夜の時間帯に分けて配達を行い、不在や時間指定にも柔軟に対応。
すべての配達を終えたあとは、所定の場所へ戻って伝票の整理や残った荷物の処理を行い、業務を終了します。
軽貨物の仕事の種類
軽貨物の仕事にはさまざまな種類があります。どの仕事にも特徴があり、自分のライフスタイルや希望の働き方に合った内容を選ぶことが可能です。
ここでは、軽貨物の主な仕事をご紹介します。
宅配
主に個人宅へ荷物を届ける仕事で、軽貨物配送の中でも特に需要が高い分野です。ネット通販の利用者増加や高齢化により、宅配件数は年々増加傾向にあります。小型・軽量の荷物が中心で1日にこなす件数が多いのが特徴。未経験でも始めやすく、求人も豊富です。
定期便
定期便は、決まった配送先に定期的に荷物を届けるスタイルの仕事です。配送ルートや時間があらかじめ決まっているためスケジュールを立てやすく、毎回同じ場所へ納品するので効率的に仕事をこなすことができます。安定した収入が見込めることから、人気の高い仕事の1つです。
スポット便
スポット便は、単発や緊急の配送依頼に対応する仕事です。企業の繁忙期や緊急時、大型車では対応しづらい配達先などでよく利用されます。高額商品や長距離配送の依頼も多く、1件あたりの単価が高いのが魅力です。ただし、依頼のタイミングが不規則なため、安定した収入を得にくいというデメリットも存在します。
チャーター便
チャーター便は、軽貨物車両を貸し切ってもらって使用する配送スタイルです。高額商品や壊れやすい荷物を丁寧に運ぶケースも多く、プロのドライバーとしてやりがいを感じられる仕事といえます。配送先や内容がその都度変わることも多く、変化のある働き方をしたい人にぴったり。単価も高めなので安定した収入を目指せます。
引っ越し便
引っ越し便は、単身者や荷物の少ない人の引っ越しをサポートする仕事です。専門の引っ越し業者と異なり保障に制限があることが多く、依頼者が荷物の運搬を手伝う場合もあります。引っ越しの多い時期には依頼が増えるため、短期間でしっかり稼ぎたい人に適した業種といえるでしょう。
平均的な収入
軽貨物ドライバーの平均的な月収は20~50万円程度といわれており、委託先や働き方によって大きく差が出ます。大手運送会社と業務委託契約を結んでいる場合は比較的安定して稼ぎやすく、月収も高くなる傾向があります。一方で、単発案件やフリーランスの場合は日によって仕事量が変動するため、収入が不安定になりやすい点に注意が必要です。
脱サラして軽貨物ドライバーになるには?

軽貨物ドライバーになるためには、開業の準備や手続きが必要です。ここでは、脱サラして軽貨物ドライバーになるために押さえておきたいポイントをご紹介します。
開業準備をする
軽貨物ドライバーとして独立開業するには、まず普通自動車免許と業務用の軽貨物車両が必要です。車両の準備方法には購入、リース、レンタルなどがあり、予算などに応じて自分に合うものを選べます。また、駐車場の確保や運送事業に関する届出書の提出も必要です。
黒ナンバーを取得する
黒ナンバーと呼ばれる営業用ナンバープレートの取得も、軽貨物ドライバーを始めるうえで欠かせない手続きの1つです。
まずは、軽貨物自動車運送事業経営届出書と一緒に事業用自動車等連絡書を運輸支局に提出し、使用する車両の承認を受けます。承認が下りたら、軽自動車検査協会で黒ナンバーの交付手続きを行います。申請には2,000〜3,000円程度の費用がかかります。
黒ナンバーを取得することで、正式に軽貨物ドライバーとしての営業が可能になります。
契約形態を検討する
軽貨物ドライバーの働き方には、主に「業務委託・フリーランス型」と「月額固定給型」の2パターンがあります。前者は基本的に成果報酬制で、自由な働き方を重視したい人に向いており、働いた分だけ収入に反映されるのが特徴です。一方、安定した収入を求める場合は後者の方が適しているでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分に合った契約形態を検討することが大切です。
案件を探す
軽貨物ドライバーの案件を探す方法としては、案件紹介サービスへの登録、配達業者との契約、自分で営業して仕事を獲得するなどが挙げられます。
紹介サービスを使えばすぐに仕事が見つかりますが、報酬から手数料が差し引かれるデメリットも。配送業者との契約は継続的に仕事が入りやすいものの、配達内容が限られるケースも少なくありません。そして、自ら営業する方法は収入アップの可能性がある一方で、契約が急に打ち切られるリスクも存在します。
先輩ドライバーの意見なども聞きながら、無理なく続けられる手段を探していくのがおすすめです。
脱サラして軽貨物ドライバーになるメリット

軽貨物ドライバーの仕事には、会社員にはない柔軟性や、自分の努力が直接収入に反映されるなど、さまざまな魅力があります。ここでは、軽貨物ドライバーの主なメリットを3つご紹介します。
自由な働き方ができる
軽貨物ドライバーのメリットの1つは、働く日や時間を自分で調整しやすく、自由度の高い働き方ができることです。特に、個人事業主として稼働する場合は自分の都合に合わせて稼働できるため、家族との時間や趣味を大切にしたい方にも適しています。
一方、業務委託の中には決められた時間帯で働く必要があるケースも存在します。そのため、どの程度「自由度」を重視するのか考えたうえで業務内容を選ぶことが大切です。
人間関係のストレスが少ない
軽貨物ドライバーは基本的に1人で業務を行うため、職場の人間関係に悩まされることがほとんどありません。サラリーマンによくある上司や同僚との煩わしい関係から解放されるのは大きな魅力といえるでしょう。
もちろん、契約先や配達先との最低限のやり取りは必要ですが、基本的に過度なコミュニケーションは発生しません。人間関係のストレスを減らし、心にゆとりを持って働きたい人にはおすすめの仕事です。
努力次第で収入をアップできる
頑張った分だけ収入に反映されやすい点も、軽貨物ドライバーのメリットです。配達件数や稼働日数に応じて報酬が変動する成果報酬制の仕事も多く、働いた分だけ収入アップが見込めます。
効率的なルートを組むなど時間を有効に使えば、さらに無駄なく収入を伸ばすことも可能です。中には月収100万円を超えるケースもあるようです。
このように、軽貨物ドライバーは、成果がわかりやすくモチベーションを保ちやすい働き方といえるでしょう。
脱サラして自由に働きたい人に軽貨物ドライバーはおすすめ
軽貨物ドライバーは、働く時間やペースを自分で調整でき、努力次第で収入アップも目指せる自由度の高い職業です。開業の際には車両の準備や黒ナンバーの取得などの手続きが必要ですが、業務内容や契約形態の選択肢が豊富で、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。
脱サラして自由に働きたい人にとって、軽貨物ドライバーはおすすめの職業といえるでしょう。
この記事の執筆者

軽カモツネット編集部
軽カモツネットは株式会社ギオンデリバリーサービスが運営する、軽貨物ドライバー向けの情報発信メディアです。運営元のギオンデリバリーサービスは2013年の設立以来、神奈川県相模原市を中心に業務委託ドライバーの開業支援や宅配サービスの運営など多岐にわたるサポートを行ってきました。拠点数は全国40カ所以上、約2,000名のドライバーが、日々安全で効率的な配送をご提供しています。軽カモツネットでは、軽貨物ドライバーの皆様のニーズに応え信頼される情報を発信してまいります。