EC市場が急激に拡大していることもあり、配送ドライバーの需要は年々高まっています。特別なスキルがなくても始めやすく、配送ドライバーの仕事に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

関心が集まる一方で、配送ドライバーは拘束時間が長いのではないか、長時間の運転や重い荷物の運搬で体力的につらそうといったイメージを持たれがちです。

今回のコラムでは、配送ドライバーの仕事がきついと言われる要因を詳しく解説していきます。配送ドライバーに向いている人の特徴も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

配送ドライバーとは

  • オンラインショッピングで購入された商品
  • 店舗で購入された持ち帰りが難しい商品(家具・自転車・バイクなど)

配送ドライバーは一般消費者に向けて上記のような荷物を配達することもあれば、法人向けに商品や資材を配送することもあります。なお、法人に配送する商品は食品や医薬品、産業用機器など非常に多岐に渡ります。

配送距離もドライバーによって大きく異なります。

長距離ドライバーは複数の都市や県をまたいで数百キロメートルもの長い距離を運転し、日をまたいで配送するケースも珍しくありません。一方、短距離ドライバーは限られたエリア内で配送を行い、1日で完了することがほとんどです。

短距離ドライバーは決まったルートに従ってホテルや病院、飲食店といった特定の顧客に商品を届けるルート配送と、日々届け先が異なる非ルート配送に分けられます。

配送距離や届ける荷物は様々ですが、荷物を安全に、時間通りに決められた場所へ届けるという役割はどの配送ドライバーにも共通していると言えます。

配送ドライバーの仕事内容

運ぶ距離や荷物、雇用形態などによって異なりますが、配送ドライバーの仕事の流れは以下の通りです。

  1. アルコールチェック
  2. 配送車のメンテナンス
  3. 荷物の積み込み・配送ルートの確認
  4. 指定された場所への荷物の配送
  5. アルコールチェック・報告書の記載

荷物を確実に届けるためには、ただ配送するだけではなく、前後のアルコールチェックや車両点検、報告書の記載といった安全対策も非常に重要です。

特にアルコールチェックに関しては、トラックドライバーの飲酒運転による死亡事故をきっかけに法規制が厳格化されています。緑ナンバーや黒ナンバーの業務用車両に加え、2022年には白ナンバーの車を業務で使用する際にもアルコールチェックが義務化されました。

正社員やアルバイトとして企業に直接雇用されている場合、当然アルコールチェックは必須となります。業務委託ドライバーとして働く方であっても、委託元から検査結果の報告を求められることも少なくありません。

業務委託ドライバーが事故やトラブルを起こした場合、委託元が責任を問われたり世間からの批判にさらされたりする可能性があるためです。

配送ドライバーがきついと言われる理由

配送ドライバーの仕事がきついと言われる要因として、以下の7点が挙げられます。

  • 単調な仕事を1人でこなす必要がある
  • 重い荷物を運ばなければならない
  • 常に時間に追われる
  • 長時間勤務・早朝や深夜の勤務が発生する
  • 天気や交通状況・時期によっては残業がある

単調な仕事を1人でこなす必要がある

配送ドライバーは荷物の受取人とやり取りすることはあるものの、誰かとコミュニケーションを取る機会がほとんどありません。長時間1人で運転したり、黙々と作業をしたりすることが苦手な方にとっては、つらいと感じられるでしょう。

仕事に慣れてくると、荷物を積んで運転して届けるという単調な業務に飽きてしまうかもしれません。特にルート配送ドライバーの場合は、毎日同じ時間に同じ道を運転し、決まった荷物を届けるというルーティーンが決まっているため新鮮さを見出すことは難しいです。

重い荷物を運ばなければならない

日々運搬する荷物をトラックに積み込むのも、配送ドライバーの仕事の1つです。中には倉庫や工場の担当者が荷物を運んでくれるケースもありますが、多くの場合はドライバーが手作業で行います。積み込んだ荷物を配送先で下ろすのも、もちろんドライバーの仕事です。

重い荷物を1日に何度も持ち上げて運ばなければならないケースもあり、体力的な負担が大きくなる傾向にあります。

常に時間に追われる

個人向け、法人向けに限らず、配送ドライバーが届ける荷物はあらかじめ配達時間が決められていることが多いです。しかし、時間内に配達することが難しいケースも珍しくありません。

例え同じルートであっても、配送にかかる時間はその時の交通状況によって異なります。予期せぬ渋滞や事故に巻き込まれることもあるでしょう。不在や再配達により、同じ荷物を1日に何度も運ぶことになるケースも考えられます。

イレギュラーな事態に対応しながらスケジュール通りに荷物を運ばなければならないプレッシャーと常に向き合う必要があり、きついと感じるドライバーも少なくないようです。

長時間勤務・早朝や深夜の勤務が発生する

日中だけでなく、早朝や深夜に配送しなければならないこともあります。例えば、開店前のスーパーに生鮮食品を届ける、深夜のコンビニに商品を納品するといったケースが考えられます。長距離ドライバーの場合は、早朝から深夜まで長時間運転し続けることも多いです。

また、在宅している方が多い土日は配達ニーズが高まるため、ドライバーが不足しやすい傾向にあります。個人向けの荷物を運ぶドライバーは特に、休日出勤を求められることも少なくありません。

天気や交通状況・時期によっては残業がある

日々配送業務に従事していると、悪天候や渋滞によって車の流れが悪くなることも決して珍しくありません。決められた量の荷物を時間内に届けられず、長時間の残業が発生してしまうケースも十分考えられます。

  • 年末年始
  • 引っ越しシーズン
  • お中元シーズン

また、配送先によって異なりますが、配送ドライバーは上記のタイミングで繁忙期を迎える傾向にあります。1日に運ばなければならない荷物の量が増えて普段より配送に時間がかかるため、繁忙期には残業が発生しやすいです。

荷物を積み下ろす負担の大きな作業や、長時間の運転に加えて業務時間が長引いてしまうと、体力的な負担はかなり大きくなってしまうでしょう。

配送ドライバーのメリットとは

きついというイメージが強い配送ドライバーですが、以下のようなメリットもあります。

  • 学歴や経験に関係なく始められる
  • 自由な働き方を選択できる

学歴や経験に関係なく始められる

基本的に、配送ドライバーに必要な資格は運転免許のみです。決められた荷物を時間内に届ける責任感や時間管理能力は求められますが、特別なスキルや経験は必要ありません。

業務内容もシンプルで比較的習得しやすいため、未経験でも気軽に始めやすい点はメリットだと言えます。実際、配送ドライバーの求人を見ると、学歴や職歴を問わず人材を募集していることが多いです。

自由な働き方を選択できる

配送ドライバーの働き方には、正社員の他にもアルバイトや業務委託などの幅広い選択肢が存在します。アルバイトや業務委託として従事すれば、ルート配送で決まった時間帯に働く、単発の配送業務を請け負うなど、働く日程を自由に調整することが可能です。

そのため、別の仕事や学校、子育てなどと両立して隙間時間に働きたい、長時間働いてしっかり稼ぎたいといった多様な働き方を実現できます。ライフスタイルに応じて裁量を持って働き方を選択できることも、配送ドライバーのメリットの1つだと言えるでしょう。

配送ドライバーに向いている人の特徴

配送ドライバーに向いている人の特徴として、以下の4点が挙げられます。

  • 1人で働くのが苦にならない
  • 車の運転が好きである
  • 体力に自信がある
  • 時間の管理が得意である

配送ドライバーには、荷物を配送車に積み込んで運ぶというシンプルな業務を淡々とこなすことが求められます。1人で黙々と仕事をすることが苦にならない方に向いていると言えるでしょう。

ほとんどの時間を運転に費やすため、運転が好きな方や長時間の運転に慣れている方にもおすすめ。重い荷物を積み下ろす体力や、決められた荷物を時間内に配送するための時間管理能力も、配送ドライバーに求められる重要な力です。

自分に合った働き方で配送ドライバーとして活躍しよう

近年どんどん需要が高まっている配送ドライバーですが、ご紹介したようにきついというイメージを持たれる傾向にあります。しかし、荷物を受け取るお客様から感謝の言葉をもらえる、人々の生活を支える役割を担っているなど、やりがいも大きい仕事です。

長時間がっつり働いたり隙間時間に稼働したりと、自由な働き方を選択できることも魅力の1つ。自身のライフスタイルや希望に合わせて裁量を持った働き方を取り入れて、配送ドライバーに挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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