事業用自動車等連絡書は、軽貨物の黒ナンバー取得にも必要になる書類です。貨物軽自動車運送事業を新たに始めるときは、運輸支局で経営届出などの手続きを行い、事業用自動車等連絡書の確認を受けたあと、軽自動車検査協会で事業用車両の手続きを進めます。

また、新規開業だけでなく、黒ナンバー車両の増車・減車・入れ替えなどでも使用します。この記事では、事業用自動車等連絡書の役割から、軽貨物で必要になる場面、黒ナンバー取得時の手続きの流れ、入手方法、書き方、有効期限まで解説します。

事業用自動車等連絡書とは

事業用自動車等連絡書は、運送事業の届出や事業用車両の使用・廃止などについて運輸支局の輸送担当で確認を受け、その内容を車両の登録・検査を行う窓口へつなぐための書類です。

運輸支局で確認を受けたことを示す

軽貨物の黒ナンバーは、運輸支局へ経営届出を提出しただけでは取得できません。運輸支局で事業の届出と使用する車両を確認してもらい、その後、軽自動車検査協会で車両を事業用へ変更する必要があります。

その際に使用するのが事業用自動車等連絡書です。運輸支局で確認を受けた連絡書を軽自動車検査協会へ提出することで、事業用車両としての手続きへ進みます。

出典:貨物軽自動車運送事業における軽乗用車の使用について|国土交通省

軽貨物の黒ナンバーも対象になる

事業用自動車等連絡書は、普通貨物車の緑ナンバーだけに使う書類ではありません。書類の「事業等の種別」には貨物の「軽」が設けられており、貨物軽自動車運送事業も対象です。

これから軽貨物ドライバーとして開業し、黄色ナンバーなどの軽自動車を事業用の黒ナンバーへ変更する場合にも使用します。

軽貨物で事業用自動車等連絡書が必要になるケース

軽貨物では、事業用として使用する車両の登録内容が変わる場面で事業用自動車等連絡書が必要になります。黒ナンバーを初めて取得するときだけの書類ではありません。ここでは、軽貨物で事業用自動車等連絡書が必要になるケースを紹介します。

初めて黒ナンバーを取得するとき

貨物軽自動車運送事業を新たに始める場合は、経営届出書などとあわせて事業用自動車等連絡書の手続きを行います。運輸支局で必要な届出を行ったあと、確認を受けた連絡書を軽自動車検査協会へ持参し、事業用車両への変更手続きを進めます。

黒ナンバー車両を増車・減車するとき

すでに軽貨物事業を行っていて、使用する車両を追加する場合にも事業用自動車等連絡書を使用します。増車では、新しく事業用として使用する車両について確認を受けます。

反対に、黒ナンバー車両を事業から外す減車でも連絡書が必要です。車両数の変更に伴って貨物軽自動車運送事業経営変更等届出書が必要になる場合は、あわせて運輸支局で手続きを行います。

黒ナンバー車両を入れ替えるとき

現在使用している車両を手放し、別の車両へ入れ替える場合にも事業用自動車等連絡書を使用します。この場合は、事業から外す車両と新たに使用する車両の両方を確認できるように手続きを行います。単に古い車から黒ナンバーを取り外して、新しい車へ付け替える手続きではありません。

住所や使用の本拠を変更するとき

引っ越しや営業所の移転などによって、車検証に記録されている住所や使用の本拠を変更する場合にも、事業用自動車等連絡書が必要になることがあります。貨物軽自動車運送事業の届出内容も変わる場合は、先に運輸支局で変更手続きを行い、その後に軽自動車検査協会で車検証などの変更手続きを行います。

黒ナンバーをやめるとき

貨物軽自動車運送事業を廃止したり、車両を事業用から自家用へ戻したりする際にも、事業用自動車等連絡書を使用します。連絡書は「これから黒ナンバーにする車」を確認するだけでなく、「事業用として使わなくなる車」の手続きにも使う書類です。

出典:自動車検査証返納届(一時使用中止)|軽自動車検査協会

黒ナンバー取得で事業用自動車等連絡書を使う流れ

初めて軽貨物事業を始める場合は、まず運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出を行い、事業用自動車等連絡書の確認を受けます。その後、確認を受けた連絡書を軽自動車検査協会へ提出し、事業用車両への変更手続きを行います。

1.運輸支局へ貨物軽自動車運送事業の届出をする

まず、営業所を管轄する運輸支局の輸送担当へ貨物軽自動車運送事業経営届出書などを提出します。経営届出書には、事業者の氏名・名称、営業所、事業用車両の数、車庫などを記載します。新規開業においては、運賃料金に関する書類や使用する車両を確認できる書類なども必要です。

2.事業用自動車等連絡書の確認を受ける

経営届出などの内容が確認されると、運輸支局で事業用自動車等連絡書の確認を受けます。管轄する運輸支局によって、あらかじめ事業者が連絡書を作成して持参する場合と、窓口で発行してもらえる場合があります。事前に管轄支局の案内を確認しておくと手続きがスムーズです。

3.軽自動車検査協会で事業用車両の手続きをする

運輸支局で確認を受けた事業用自動車等連絡書を持って、使用の本拠を管轄する軽自動車検査協会で手続きを行います。自家用から事業用へ変更する場合は、ここで車検証やナンバープレートに関する手続きを行い、黒ナンバーの交付を受けます。

必要になる書類は、現在の車両の登録状況や名義変更の有無などによって変わります。運輸支局での経営届出と、軽自動車検査協会での車両手続きは別の手続きとして考えると分かりやすいでしょう。

貨物軽自動車運送事業経営届出書との違い

貨物軽自動車運送事業経営届出書と事業用自動車等連絡書は、どちらも黒ナンバーの取得に関わりますが、役割が異なります。

書類 役割 手続き
貨物軽自動車運送事業経営届出書 貨物軽自動車運送事業を始めることを届け出る 運輸支局へ提出する
事業用自動車等連絡書 事業用として使用・廃止する車両について運輸支局で確認を受け、車両側の手続きへつなげる 運輸支局で確認を受けた後、軽自動車検査協会で使用する

経営届出書は「軽貨物運送事業を行うための届出」、事業用自動車等連絡書は「その事業で使用する車両の手続きを進めるための書類」と考えておくと、違いを理解しやすくなります。

事業用自動車等連絡書はどこで入手する?

事業用自動車等連絡書の様式は、地方運輸局や運輸支局のWebサイトからダウンロードできるほか、窓口で用意されている場合もあります。

運輸支局の輸送担当で確認を受ける

書類そのものをダウンロードできる場合でも、自分で記入しただけでは黒ナンバーの手続きには使用できません。使用の本拠を管轄する運輸支局の輸送担当へ提出し、確認を受ける必要があります。

軽自動車検査協会は事業用自動車等連絡書の発行元ではありません。運輸支局で確認を受けた連絡書を、次の車両手続きで軽自動車検査協会へ提出します。

支局によって用意の仕方が異なる

連絡書の扱いは、運輸支局によって案内方法に違いがあります。事前に様式を記入して持参するよう案内している支局もあれば、必要な届出を確認した後に窓口で発行する支局もあります。様式や必要部数を別の地域の情報だけで判断せず、自分の営業所を管轄する運輸支局の案内を確認してください。

事業用自動車等連絡書の書き方

連絡書を自分で準備する場合は、経営届出書や車検証などと内容が一致するように記入します。ここでは、事業用自動車等連絡書の書き方について詳しく解説します。

事業者と営業所の情報を記入する

「事業等の種別」では、貨物の「軽」を選択します。そのほか、使用者の名称、使用者の住所、所属営業所名、使用の本拠の位置などを記入します。個人事業主であれば、使用者の名称には原則として事業者本人の氏名を記載しましょう。

使用する車両・廃止する車両を記入する

連絡書には「使用しようとする自動車」と「廃止する自動車」の欄があります。

新規開業や増車では、これから事業で使用する車両の車台番号や車両情報を記入します。減車では事業から外す車両を記入し、車両の入れ替えでは新旧両方の情報を記載しましょう。

車台番号、車両番号、乗車定員、最大積載量などを記入する場合は、車検証などの記載内容を確認しながら転記します。

運輸支局が記入する欄は空けておく

発行番号、発行日、確認印など、運輸支局側で記入・確認する欄があります。様式に「※」が付いている欄などは事業者側で記入しないため、管轄支局が公開している記載例を確認して作成しましょう。

事業用自動車等連絡書の有効期限と期限切れ・紛失時の対応

事業用自動車等連絡書には有効期限があります。また、期限が切れた場合や書類を紛失した場合は、そのまま軽自動車検査協会で使用することはできません。それぞれの対応を確認しておきましょう。

有効期限は発行日から1か月

事業用自動車等連絡書の有効期限は、原則として発行日から1か月です。運輸支局で連絡書の確認を受けた後は、有効期限内に軽自動車検査協会で必要な手続きを行います。

車両の購入や納車と連絡書の取得時期が大きくずれると、登録前に期限を迎える可能性があります。新しい車両を用意する場合は、納車予定日と軽自動車検査協会で手続きできる日を確認してから連絡書の手続きを進めるとよいでしょう。

有効期限が切れた場合は運輸支局へ確認する

有効期限を過ぎた場合は、発行元の運輸支局へ問い合わせます。運輸支局によっては期限延長などの対応を案内しているため、自分で新しい連絡書を作成せず、発行元の指示に従ってください。

紛失した場合も運輸支局へ問い合わせる

確認を受けた事業用自動車等連絡書を紛失した場合も、発行元の運輸支局へ問い合わせます。同じ様式を自分で印刷し直しても、運輸支局で確認を受けた連絡書の代わりにはなりません。再発行などの対応について、管轄の運輸支局へ確認しましょう。

事業用自動車等連絡書は黒ナンバーの取得・変更に使う書類

事業用自動車等連絡書は、貨物軽自動車運送事業の届出や車両の変更について運輸支局で確認を受け、その後の軽自動車検査協会での手続きにつなげる書類です。

初めて黒ナンバーを取得するときだけでなく、増車・減車、車両の入れ替え、使用の本拠の変更、事業用車両を自家用へ戻す場合などにも使用します。

これから軽貨物を始める場合は、まず営業所を管轄する運輸支局へ経営届出を行い、事業用自動車等連絡書の確認を受けます。その後、軽自動車検査協会で車両の手続きを行うという順番を押さえておきましょう。

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軽カモツネット編集部

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