軽貨物は、夫婦や友人など2人で1台の車に乗って配達することもできます。例えば1人が運転を担当し、もう1人が荷物を届けるといった役割分担して配送を行う方法が挙げられます。

ただし、2人で配達すれば単純に売上や配達効率が2倍になるわけではありません。1台で運べる荷物の量は変わらず、報酬も1台・1ルート単位で決まっている案件があります。また、契約先によっては契約者以外の同乗や配達作業を認めていない場合があります。

そのため、2人で軽貨物の仕事をするなら、「2人で乗れるか」だけでなく、「2人で作業してよい案件か」「2人で動くことで実際に効率が上がるか」「報酬を2人で分けても成り立つか」を確認することが大切です。本記事では、夫婦や友人と2人で軽貨物配送をする場合のメリットや収入の考え方、始める前に確認しておきたいポイントを解説します。

軽貨物は2人1台でも配達できる

使用する車の乗車定員を守り、契約先が認めていれば、軽貨物車に2人で乗って配送することはできます。実際に、夫婦や友人など2人1組での配送を認めている軽貨物の求人もあります。

一方で、どの軽貨物案件でも自由に2人で配達できるわけではありません。業務委託では、誰が荷物を扱えるのか、契約者以外が配達してよいのかといったルールが委託元や案件ごとに定められています。

そのため、「助手席に家族や友人を乗せられるから、その人も配達できる」とは限りません。2人とも荷物を持って配達する予定であれば、契約する段階で2人稼働が可能か確認しておきましょう。

軽貨物を2人で配達するメリット

2人で配達するメリットは、単純に作業する人数が増えることではなく、運転と配達を分担できる点にあります。案件や配達エリアによって効果は異なりますが、1人ですべての作業を担当するより動きやすくなるケースがあります。ここでは、夫婦や友人と2人1台で配達するときに考えられる主なメリットを紹介します。

運転と配達を分担できる

2人で配達する大きな特徴は、運転と配達を分担できることです。1人で配送する場合は、車を止め、荷物を確認し、届け終わったら再び車に乗って次の配達先へ移動します。2人であれば、一方が車両の移動を担当し、もう一方が荷物の受け渡しを担当するという動き方ができます。

特に配達先が近いエリアでは、役割分担がうまく機能すれば、乗り降りや車両移動にかかる手間を減らせる場合があります。集合住宅などで複数の荷物を届ける際も、2人で荷物を確認しながら作業できます。

しかし、道路上では駐停車のルールを守る必要があります。運転担当が車内に残っているからといって、どこにでも車を止めてよいわけではありません。

運転や配達を交代できる

2人とも運転でき、契約や保険の条件にも問題がなければ、途中で運転を交代することもできます。長時間の運転を1人だけで担当せずに済むほか、配達作業も交代できるため、仕事の負担を分けやすくなります。夫婦や友人で一緒に働く場合は、1人に運転や配達が偏らないよう、あらかじめ役割を決めておくとよいでしょう。

相談しながら仕事を進められる

軽貨物の仕事を始めたばかりの時期は、荷物の積み方や配達順、届け先が分かりにくい場合の対応など、判断に迷う場面もあります。

2人であれば、その場で相談しながら進めることができます。夫婦や友人など、普段から意思疎通を取りやすい相手と一緒に働けることを重視する人にとっては、2人1台という働き方自体がメリットになるでしょう。

2人で配達すれば効率や収入も2倍になる?

2人で配達すると作業を分担できますが、配達効率や収入がそのまま2倍になるわけではありません。なぜなら、使っている車が1台だからです。2人になっても車に積める荷物の量や、同時に走れる配送ルートが増えるわけではありません。

また、軽貨物の報酬は案件によって計算方法が異なります。2人で働いたときの収入を考える際は、「何人で働いたか」ではなく、何を基準に報酬が支払われる契約なのかを確認する必要があります。

報酬の決まり方 2人で配達した場合の考え方
1日・1台・1ルートなどで金額が決まる 2人で担当しても、契約上の報酬が自動的に2人分になるわけではありません
配達完了した個数で金額が決まる 2人での配達が認められ、配達完了数を増やせれば売上が増える可能性があります。ただし、担当する荷物量やエリアにも左右されます
2人作業を前提とした案件 2人1組に対する報酬なのか、1人ごとに報酬が設定されているのかを契約内容で確認します

例えば、1ルートあたりの報酬が決まっている案件であれば、1人で回っても2人で回っても売上は同じです。その報酬を2人の収入として考えるのであれば、1人あたりの取り分は小さくなります。

一方、配達完了した荷物の個数で報酬が決まる案件では、役割分担によって配達数を増やせれば売上が増える余地があります。ただし、そもそも2人で配達することが認められていることが前提です。また、1台に積んでいる荷物を配り終えれば、その時点で配達できる荷物がなくなるため、人数を増やした分だけ際限なく売上が伸びるわけではありません。

2人1台で働くのが向いているケース

2人1台の軽貨物配送が向いているのは、収入だけでなく「2人で一緒に働くこと」や「役割を分担すること」にメリットを感じる場合です。

反対に、2人がそれぞれ別の配送を担当して売上を増やしたいのであれば、1台を共有することが制約になることもあります。何を重視するかによって、2人1台が合うかどうかを判断しましょう。

2人での配送がおすすめのケース 理由
夫婦や友人と一緒に働きたい 同じ時間帯・同じ車で行動できる
運転と配達を分担したい それぞれの得意な作業を担当できる
最初から車を2台用意したくない 使用する車両を1台にできる
2人稼働を前提とした案件を受ける 契約上も役割分担をしやすい

2人とも軽貨物ドライバーとして同じ時間帯に別々の仕事を受け、多くの売上をつくりたい場合は、1台では同時に別々の配送ルートへ向かえません。

軽貨物の仕事に慣れ、2人とも十分な仕事量を確保できるのであれば、1人1台で別々に稼働する方法も比較対象になります。つまり、「2人1台は効率が悪い」「2台なら必ず稼げる」と一律には判断できません。一緒に働きたいのか、2人それぞれの売上を増やしたいのかによって、適した車両の使い方は変わります。

夫婦・友人で2人配達を始める前に確認したいこと

2人で配達できる案件であっても、同乗できることだけを確認して始めるのは避けたほうがよいでしょう。契約上の扱いや報酬の決まり方、保険の補償範囲などによって、想定していた役割分担ができないことがあります。実際に2人で稼働する前に、次の点を確認しておきましょう。

2人での同乗・配達が契約上認められているか

最初に確認したいのが、契約先のルールです。同乗者を認めているのか、契約者以外が荷物を持って届けてもよいのか、2人ともドライバーとして登録する必要があるのかなどを確認します。

「ほかの軽貨物ドライバーが夫婦で配達しているから、自分たちもできる」と判断するのではなく、自分が受ける案件の条件を確認してください。

報酬が1人単位なのか、1台・1ルート単位なのか

2人で働く場合は、報酬の金額だけを見るのではなく、その金額が何に対して支払われるものなのかを確認します。例えば「日額2万円」と書かれていても、それがドライバー1人につき2万円なのか、2人で使用する1台につき2万円なのかでは収入が大きく異なります。

求人に「2人1組」「夫婦歓迎」と書かれている場合も、2人それぞれに報酬が発生するとは限りません。契約前に、報酬の計算方法と支払先まで確認しておきましょう。

2人とも運転するなら自動車保険を確認する

途中で運転を交代する場合は、2人とも任意保険の補償対象になっているか確認が必要です。自動車保険には、運転する人を本人だけ、本人と配偶者だけなどに限定する契約があります。例えば本人・配偶者限定の契約であれば、友人が運転した際の事故が補償対象外になることがあります。

夫婦であっても年齢条件などが設定されている場合があるため、実際に運転する人を保険会社や代理店へ伝え、業務中の運転も含めて補償されるか確認しておくことが大切です。

車の乗車定員と荷物の積み方を確認する

2人で同乗する場合は、使用する車の車検証に記録された乗車定員を守る必要があります。また、荷物を積むための荷室を人が乗る場所として使うことはできません。道路交通法では、原則として乗車用に設けられた場所以外へ人を乗せて走行することは禁止されています。

軽貨物車だから一律に「2人まで」と考えるのではなく、実際に使用する車両の乗車定員と座席を確認しましょう。

夫婦・友人で始めるなら報酬と費用の分け方も決めておく

夫婦の場合は家計を一つにしていることもありますが、友人同士で軽貨物を始める場合は、報酬や経費の分担を特に明確にしておく必要があります。売上を半分ずつ分けるとしても、ガソリン代、車両代、任意保険料、メンテナンス費用を誰が負担するかによって、最終的な取り分は変わります。

「2人で半分ずつ」とだけ決めるのではなく、売上から必要経費を差し引いた後に分けるのか、車を所有している人へ車両費を支払うのかなど、実際のお金の流れまで決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。

軽貨物を2人で始めるなら事前に相談しておくことが大切

軽貨物は、契約先が認めており、車の乗車定員などのルールを守れば、夫婦や友人と2人で1台に乗って配達することができます。運転と配達を分担できるため、案件や配達エリアによっては1人で配送するより動きやすくなるでしょう。

ただし、2人で乗ったからといって、報酬まで自動的に2人分になるわけではありません。1台・1ルートあたりの報酬が決まっている案件では、売上を2人で分けることになります。

一緒に働けることを重視するのであれば、2人1台は選択肢になります。一方、2人それぞれがドライバーとして売上をつくることを重視するのであれば、仕事量を確保できる段階で1人1台にする方法も比較するとよいでしょう。

求人や委託先を探す際は、まず「2人での配達が可能か」と「報酬が何を単位に決まるか」を確認してください。その2点が分かれば、2人で働くメリットがある案件かどうかを判断しやすくなります。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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