軽貨物ドライバーとして独立を考える際、初期費用を抑える手段として車両のリース契約を検討する人は少なくありません。しかし、インターネット上では、軽貨物車両のリース契約に対して「やめとけ」といった否定的な声も見られます。

本記事では、軽貨物車両のリース契約が「やめとけ」といわれる理由や、契約前に確認すべきポイント、代替手段などについて詳しく解説します。

軽貨物車両をリースする方法とは?

軽貨物車両をリースするには、いくつかの選択肢があります。

ここでは、軽貨物車両をリースする場合の主な方法についてご紹介します。

運送会社を通じて契約する

軽貨物車両をリースする場合、最も一般的な方法が運送会社を通じた契約です。運送会社が提携するリース会社と契約するため、自分で業者を探す手間が省け、信頼性の高い車両を借りられる点がメリットといえます。サポート体制が整っていることも多く、リースや配送業務に不慣れな人でも安心して利用できます。

ただし、契約内容の確認や手続きは自分で行う必要があるため、内容を十分に理解したうえで契約を進めるようにしましょう。

紹介されたリース会社と直接契約する

運送会社が提携するリース会社を紹介してもらい、個人で直接契約を結ぶ方法もあります。この方法では、契約内容の確認や手続きはドライバー自身で行う必要があるものの、実績のあるリース会社を利用できるため安心して契約を進められます。

紹介の場合、運送会社のサポートは受けにくいため、リース条件や維持費などをしっかり把握したうえで契約することが重要です。手間はかかりますが、条件に合う車両を選びやすいというメリットもあります。

自分でリース会社を探して契約する

運送会社は介さずに、自分でリース会社を探して契約することも可能です。ただし、車種や装備、契約内容などを自身で比較・検討しなければならず、未経験者にはあまりおすすめの方法とはいえません。

不測のトラブルを防ぐため、中途解約時の違約金やメンテナンスの責任範囲など、細かな部分まで事前に確認しておくことが大切です。会社によっては希望の車種や仕様を選べない場合もあるため注意しましょう。

軽貨物のリースが「やめとけ」といわれる理由とは?

軽貨物車両のリースは便利な反面、コストや契約条件に関する注意点も存在します。

ここでは、軽貨物のリースが「やめとけ」といわれる主な理由をご紹介します。

長期的には購入するよりコストがかさむ

軽貨物車両のリースは、長期的に見ると購入よりもコストがかさむ可能性があります。リース料には車両代のほか、金利や保険料、各種手数料などが含まれており、割高になりやすいためです。

同じ期間・同じ車種であっても、リース契約よりローンで購入した方が支払い総額を抑えられるケースも少なくありません。契約終了後は車両が手元に残らない点もデメリットといえます。

途中解約で違約金が発生するリスクがある

一般的なリース契約では、契約期間中の途中解約が認められておらず、万が一解約する場合は違約金が発生するリスクがあります。

リース会社によって契約条件は異なりますが、契約期間が残っている状態で解約すると、残りのリース料を一括請求されたり、車両の残価と実際の査定額との差額を支払うよう求められたりするケースも存在します。こうした点も、軽貨物車両のリースが「やめとけ」といわれる理由のひとつです。

走行距離に制限がある

軽貨物車両のリース契約では、走行距離に制限が設けられているケースが多いというのも、リースに否定的な意見が多い理由といえるでしょう。一般的には月間1,000~2,000km程度に設定されており、この範囲を超えると追加料金が発生する可能性があります。

長距離運転が多いドライバーにとっては負担となりやすく、走行距離を気にしながら運転しなければならない点は大きなデメリットです。

リース以外におすすめの方法とは?

軽貨物車両は、リース以外の方法でも準備することが可能です。ここでは、おすすめの方法を3つご紹介します。

中古車を購入する

軽貨物車両を入手する際のリースに代わる選択肢の1つとして、中古車の購入と整備が挙げられます。

リースに比べて初期費用はかかりますが、長期的に見るとコストを抑えられるケースが多く、契約の縛りや走行距離の制限もありません。自分の車として自由に運用できるため、長距離運転やカスタマイズをしたい方にもおすすめです。

信頼できる販売店で車検整備済みの車両を購入すれば、黒ナンバーの取得など必要な手続きが済み次第、すぐに業務に利用することができます。

レンタカーを活用する

軽貨物の仕事を継続できるか不安な場合は、レンタカーの活用がおすすめです。黒ナンバー付きの商用車を1日単位で借りられるため、気軽にチャレンジすることができます。

ただし、委託会社やマッチングサービスへの登録が制限される点や、長期利用をする場合はコストが割高になる点には注意が必要です。

フランチャイズ本部の車両貸与制度を利用する

フランチャイズに加盟する場合は、本部の車両貸与制度を利用する方法もあります。加盟者に車両を無償または低コストで貸与している企業も多く、初期費用を抑えたい方には強力なサポートといえます。

車両の手配やメンテナンスも本部が対応してくれるため、独立したての方や未経験の方でも配送業務に専念することができます。

軽貨物車両のリース契約には慎重な判断が必要

軽貨物車両のリースは、初期費用を抑えて手軽に開業できる手段として注目されていますが、長期的に見ると購入する場合に比べて割高になる可能性があり、契約の柔軟性に欠ける点にも注意が必要です。

特に、途中解約に伴う違約金や走行距離の制限など、リース特有のデメリットを把握しておかないと、思わぬ負担が生じる可能性もあります。

軽貨物ドライバーとして安定した収入を目指すには、自分の事業計画に合った車両の調達方法を選ぶことが大切です。中古車の購入やレンタカー、フランチャイズ加盟といった手段も視野に入れつつ慎重に検討しましょう。

この記事の執筆者

軽貨物・業務委託ドライバーのための軽カモツネット

軽カモツネット編集部

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