軽貨物運送を始める際に、必ず知っておくべき知識のひとつが「黒ナンバー」についてです。名前は聞いたことがあっても、取得条件や手続きの流れが分からず、不安を感じる方は少なくありません。
本記事では、黒ナンバーの基本的な意味をはじめとして、必要なケースや取得条件、手続きの流れ、費用の目安までを分かりやすく解説します。
黒ナンバーとは?

黒ナンバーについて正しく理解するためには、まず「黒ナンバーとは何を指すのか」、そして「他のナンバープレートと何が違うのか」を理解することが重要です。
黒ナンバーの正式名称
黒ナンバーとは、貨物軽自動車運送事業の届出を行った軽自動車に交付される、事業用ナンバープレートの通称です。地が黒色、文字が黄色になっているのが特徴で、有償で荷物を運ぶ事業用途の車両であることを示します。
宅配や企業配送など、報酬を得て運送業務を行う場合には黒ナンバーでの登録が必須となり、一般的な自家用車とは法律上明確に区別されています。
白ナンバー・黄色ナンバーとの違い
黒ナンバーと白ナンバー・黄色ナンバーの最も大きな違いは、「事業用か自家用か」という用途区分にあります。
黒ナンバーは、有償で荷物を運ぶ貨物軽自動車運送事業用として登録された車両に交付され、業務としての運送が認められています。一方、白ナンバーや黄色ナンバーは自家用車に該当し、報酬を得る運送行為には使用できません。
このような用途の違いから、法律上の扱いや加入できる保険の内容、税務上の取り扱いにも差が生じます。
黒ナンバーが必要になるケースとは?

黒ナンバーが必要かどうかは、「どのような形で車両を使用するか」によって判断されます。
ここでは、黒ナンバーが必要になる主なケースを紹介します。
有償で荷物を運ぶ配送業務を行う場合
荷主から報酬を受け取って荷物を運ぶ「配送業務」を行う場合は、黒ナンバーの取得が必要です。宅配便や企業間配送、ネットショップの商品配送など、仕事として荷物を運ぶ行為は、いずれも貨物軽自動車運送事業に該当します。
個人事業主やフリーランス、業務委託といった働き方に関係なく、軽自動車で継続的に配送を行う場合は、法律上黒ナンバーでの登録が求められます。
副業として軽貨物運送を行う場合
副業として軽貨物運送を行う場合でも、報酬を得て荷物を運ぶのであれば、黒ナンバーの取得は不可欠です。本業の合間に行う業務であっても、対価が発生する以上、法律上は軽貨物自動車運送事業として扱われます。
「副業だから不要」と誤解されがちですが、仕事の頻度や収入額に関係なく、継続的に配送を行う場合は黒ナンバーが必要となることを覚えておきましょう。
運送業務を前提とした業務委託契約を結ぶ場合
配送会社や宅配プラットフォームと契約して軽貨物で荷物を運ぶ業務では、使用する車両が事業用車両として登録されていることが前提となります。
実際に、多くの業務委託契約では黒ナンバーの取得が条件として明記されており、未取得の場合は契約自体ができない、あるいは案件を受けられないケースも少なくありません。
スムーズに業務を開始するためにも、あらかじめ黒ナンバーを取得しておくことが大切です。
黒ナンバーの取得条件

黒ナンバーを取得するには、法律で定められた条件を満たす必要があります。主な条件として、以下のようなものが挙げられます。
- 軽貨物車両を1台以上保有している
- 営業所・車庫・休憩施設を確保している
- 運送約款を用意している
- 運行管理などの管理体制が整っている
- 十分な損害賠償能力がある
車両は4ナンバーの軽貨物車が一般的ですが、条件を満たせば5ナンバーの軽乗用車でも取得できます。自宅を営業所や休憩施設として登録することも可能で、個人事業主でも取得しやすい制度となっています。
黒ナンバー取得手続きの流れ

黒ナンバーの取得手続きはいくつかの段階に分かれており、全体の流れを把握しておくことが大切です。
事前準備
黒ナンバーを取得するには、事前準備をしっかり行うことが大切です。
まず、使用する軽自動車を用意し、営業所や車庫、休憩施設が取得に必要な条件を満たしているかを確認します。あわせて、事業内容を整理し、経営届(貨物軽自動車運送事業経営届出書)や運賃料金に関する書類など、運輸支局へ提出する書類を準備しておきましょう。
これらをあらかじめ整えておくことで、そのあとの手続きをスムーズに進めることができます。
運輸支局での手続き
事前準備が整ったら、管轄の運輸支局で届出手続きを行います。経営届や運賃料金に関する書類を窓口に提出し、不備がなければその場で「事業用自動車等連絡書」が交付されます。営業所や車庫の所在地が要件を満たしているか、書類の内容が法令に沿っているかは特に確認されるポイントなので、事前にしっかりチェックしておきましょう。
軽自動車検査協会での手続き
運輸支局での届出が完了したら、次は軽自動車検査協会で車両の変更登録を行います。運輸支局で交付された事業用自動車等連絡書に加え、車検証や現在のナンバープレート、手数料を持参し、窓口で手続きを進めます。
書類確認と車台番号のチェックが行われ、問題がなければ新しい車検証と黒ナンバーが交付されます。受け取ったナンバーを車両に取り付ければ、登録手続きは完了です。
黒ナンバーの取得にかかる費用
黒ナンバーの取得にかかる費用は、手続きそのものだけであれば数千円程度と比較的負担の少ない金額です。主な内訳は、ナンバープレートの交付手数料や、必要書類をそろえるための実費となります。
一方で、黒ナンバーを取得して軽貨物運送事業を始める場合は、事業用の任意保険料や車両購入費など、取得後にかかる費用もあらかじめ考慮しておかなければなりません。
また、手続きを自分で行うか、行政書士などの専門家に代行を依頼するかなどによっても、発生する費用は大きく変わってきます。
黒ナンバーについて正しく理解しよう
黒ナンバーは、軽貨物運送を行ううえで、必ず押さえておきたい大切な制度です。有償で荷物を運ぶ場合や、副業・業務委託として配送業務を行う場合には、法律上、黒ナンバーの取得が求められます。
取得条件や手続きは一見すると難しく感じられるかもしれませんが、事前に流れや必要書類を把握しておけば、個人事業主でも無理なく対応できます。黒ナンバーの仕組みを正しく理解して、スムーズに軽貨物運送事業をスタートさせましょう。
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軽カモツネット編集部
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